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中国科学院上海生化学と細胞研究所が新たな肝細胞作製方法を発見

出典:中国科学報 2014年3月3日

 

 中国科学院上海生化学と細胞研究所の恵利健研究者らは、3つの肝臓転写因子を導入することで、ヒトの皮膚細胞を肝細胞へ変化させられることを発見した。この研究成果は、肝細胞治療や人工肝臓の実現に向け大きな前進となり、国際的に有名な学術雑誌「細胞幹細胞(Cell Stem Cell)」のオンライン版で公開された。

 

 中国は、世界一の「肝炎大国」である。しかし、肝ドナー不足のため肝臓移植治療の活用が阻まれており、近年大きな発展を遂げている肝細胞移植やバイオ人工肝臓などの新型治療方法も肝細胞不足の問題に直面している。したがって、新たなヒト肝細胞作製技術の創出が強く求められている。

 

 2011年、恵利健研究チームはマウスの皮膚細胞を肝細胞へ変化させることに成功し、科学誌「Nature」に発表したが、しかしその後、同じ方法でヒトに通用できないことを判明した。改めて選別と最適化をすることで、研究者たちはヒト繊維芽細胞から肝細胞(hiHep細胞)への変化を誘導される方法を確立した。
 作製されたhiHep細胞は肝細胞の遺伝子発現を有し、血清アルブミンの分泌やグリコーゲンの蓄積、薬物代謝など肝細胞の機能を持つ。また、hiHep細胞を肝臓特異的転写因子(チロシン代謝障害)モデルマウスへ移植すると、肝臓に生着し機能を発揮できる。その肝細胞は肝臓の機能指標を明らかに回復させ、マウスの命を約40%救うことができた。 

 

 中国科学院により支えられ、恵利健研究チームは南京鼓楼病院、華東理工大学と協力し、重い肝臓病の治療に向けて、hiHep細胞の人工肝臓への応用について検討と研究を行なっている。