WHOの陳馮富珍(マーガレット・チャン)事務局長は「中国ワクチン国家監督管理システムはWHOが制定したすべての基準を達した」と発表し、中国が成熟したワクチン生産管理システムを有していことを述べたそうです。2014年7月14日の人民日報の記事では、中国のワクチン生産の現状を以下のように紹介していました。

ワクチン1999年から、WHOの専門家は世界各国のワクチン監督管理システムに対して評価を行った。中国ワクチン監督管理システムは2011年に初めてWHOの評価に合格し、2014年に再び合格したことは、中国が成熟した管理システムを持つことを意味している。
「中国はワクチンの生産で世界の前列に加わり、年生産力は10億剤を超えている。」と中国国家食品薬品監督管理局薬品・化粧品登録所の王所長が指摘した。2013年10月、成都生物制品研究所有限責任公司によって生産されたB型脳炎ワクチンは、WHOの事前認証に合格した中国初のワクチンとして、国連ワクチン調達計画に追加された。中国の現存ワクチン生産企業は51社で、33種の伝染病に向け、61種のワクチンを生産しているという。
王所長によれば、中国が研究している手足口病を予防するEV71ワクチン、Sabin株IPV等の臨床試験は相次いで完了しており、EV71ワクチンは審査の最終段階に入っていて、まもなく販売開始となる。

出典:人民日報 2014年7月14日

手足口病は、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症ですが、1990年代後半、東アジア地域でEV71による小児の急性死症例が多発し、大きな問題となりました。特別な治療法がなく、有効なワクチンが求められています。
現在、中国を中心にアジア諸国ではEV71ワクチンの研究が進められているようです。日本では、今までEV71感染症の大規模流行がなかったものの、予防のためにもEV71ワクチンの開発・導入状況を注視していく必要があると思われます。

中国バイオ・医薬ニュースのトップページはこちら(バックナンバーなど)