中国法律ニュース 外国投資法改正で外資申請が緩和

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中国の外国投資法改正で外資申請が緩和

 2015年1月19日、中国商務部は、「中和人民共和国外国投資法(草案意見募集稿)」(以下「意見募集稿」)についての意見募集を公布しました。意見募集稿は総則と附則を含め計11章、170条からなります。 今回は、意見募集稿の主な注目点について紹介します。

 2015年1月19日に公布した「中和人民共和国外国投資法(草案意見募集稿)」は、現行の外商投資管理体制を革新し、外資への制限性措置を大幅に減らし、外資の参入基準を緩和した。
 商務部のスポークスマンは、「ネガティブリスト(負面清単)の管理モデルの下では、大半の外資参入への審査を行わないことにする」と説明した。
 社会・各界による外国投資法への理解を高めるため、商務部の有力者はマスコミの取材を受け、意見募集稿の主な注目点について説明した。以下、その内容を抜粋して紹介する。

実質的支配について

 外国投資者の実質的支配を受けている中国内企業を外国投資者による投資と見なす一方、外国投資者が中国投資者からの実質的支配を受けている場合は、当該外国投資者による中国国内での投資を中国投資者による投資とみなすことになる。

ネガティブリストの管理モデル下で大半の外資への審査許可が開放される

 意見募集稿は、外資三法が確立した逐一審査許可制度を廃止し、「参入前国民待遇及びネガティブリスト管理」にふさわしい外資参入管理制度を導入している。外国投資主管部門は「特別管理措置目録」で明記された分野への投資のみについて参入許可を施行し、審査対象は、契約や定款ではなく、外国投資者及びその投資行為であることにしている。

国家安全審査決定に対する行政不服審査や行政訴訟の提起は不可

 外国投資が国家安全に与え、または与える可能性のある危害を防止するため、意見募集稿は、国家安全審査制度に関する内容を設けた。現行の国家安全審査制度の効力が低く、制度が完備されていない欠点に対し、意見募集稿は国家安全審査の審査要素、審査プロセスを整え、国家安全面における思わぬ危害を除くための措置等を明確し、更に、国家安全審査決定に対する行政不服審査や行政訴訟を提起してはならないと規定した。

外商投資行為には報告義務が必要

 外国投資者による中国内での投資は、「特別管理措置目録」で明記された分野に該当するか否かに関わらず、報告義務が課される。意見募集稿は、報告パターンを三種類に分類し、それぞれの報告内容及び報告所要期日を規定した。

投資保護制度の強化

 意見募集稿は、徴収、徴用、国家賠償、知的財産権保護等方面から、外国投資者及びその投資に対する保護体制を全面的に強化した。意見募集稿は、投資促進政策、投資促進機構、特別経済地域等から投資促進業務に関する規定を定めた。

信用記録制度による外資の自律強化

 意見募集稿は、監督検査の開始、検査方式、検査内容、検査結果等の監督検査制度について全面的に規定している。外国投資者の信用記録制度を確立することによって、外国投資企業の自律意識を強化した。

VIEスキーム(協議支配)の処理

 外国投資企業が一連の協議を締結することによって中国内企業の支配権を取得することは、広く注目されている。意見募集稿は、VIEスキーム(協議支配)を外国投資の一つのパターンと明確している。「外国投資法」の施行開始後、VIEスキームが適用対象になるが、「外国投資法」の施行開始前の現行のVIEスキームによる投資が、「外国投資法」の施行開始後でも禁止または制限された外国投資分野に該当する場合の処理方法について、現段階ではまだ一致した意見がない。これについて、商務部は、社会全体に向けて幅広く意見を集めて一段と検討を重ね、最終処理意見を提出する予定である。

 

出所:法制日報2015年1月20日

 近年、中国の投資環境が悪化しているとの見方や、中国市場から撤退する外資企業が多くなったという話はよく耳にするかもしれません。
 しかし、実際もは2014年に中国の外資利用規模は初めて世界1位になり、中国が外資利用を積極的に取入れる方針は変わっておらず、むしろ以前より積極的・開放的となっているという見方もあります。
 今回の外国投資法改正も、投資環境を整え、法律・制度・政策等のソフト面から外資をサポートしていくため一環と思われます。また、外資利用の構造も変わりつつあり、一般製造業やサービス分野については今後中長期にわたる新たな成長分野と見込まれています。

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