中国シルバー産業日本以上に高齢化が深刻化している中国では、国家及び地域レベルで高齢者向けのさまざまな施策が打ち出されています。
このほど工業情報化部・民政部・国家衛生計画生育委員会が制定した≪インテリジェント化健康・養老産業発展行動計画(2017年-2020年)≫(以下、「本計画」)もその1つですが、本計画は特にクラウドやIoT、ビッグデータなどの技術発展による健康・養老サービスの向上に焦点を当てています。
内容は多岐に渡っていますが、その中でも技術研究開発についてピックアップしてご紹介したいと思います。

健康・養老サービスに関わるインテリジェント化製品の供給

コア技術の研究開発推進について

上記インテリジェント化製品に適用する低消費・小型のスマートセンシング技術、室内外の高精度定位技術、大容量・小型化エネルギー供給技術、低消費・高性能のマイクロプロセッサ及び計量の操作システムの発展が課題となる。
また健康・養老サービス用端末設備の高齢者向け設計及び開発強化、健康管理端末に適用可能な健康生理検査・モニタリング技術、大容量・マルチコネクタ・マルチインタラクティブな健康管理プラットフォームの集積及び設計も求められる。さらに、健康状態のリアルタイム分析、ビッグデータ分析などのインテリジェント化された分析技術の発展・推進も課題である。

豊富なインテリジェント化健康・養老サービス製品の供給

異なる利用環境に合わせ、健康管理類のウェアラブル設備・ポータブル式健康モニタリング設備・セルフ式健康測定設備・インテリジェント化養老保護設備・家庭サービスロボットなどを発展させることで、多様化した個々のニーズを満たす。

※インテリジェント化健康・養老サービス製品の具体例

  • 健康管理類のウェアラブル設備
  • 健康用リストバンド・時計、ウェアラブルモニタリングデバイス
  • ポータブル式健康モニタリング設備
  • 家庭・ホームドクター・コミュニティ医療機関に用いる集積型・分割型の健康モニタリングアプリツールキット
  • セルフ式健康測定設備
  • コミュニティや公共の場所に設けるセルフ式のインテリジェント健康測定設備
  • インテリジェント化養老保護設備
  • 在宅介護及び施設での介護に用いるインテリジェント車いす・ケアベッドのインテリジェント化モニタリング・リハビリ・看護設備
  • 家庭用サービスロボット
  • 高齢者の生活を快適にするため娯楽提供・障害に対する補助・安全モニタリングなどの各種機能を備えた家庭用サービスロボット

近年、中国シルバー産業に切り込んでいこうとする日系企業は増加の一途をたどっており、介護施設の経営や高齢者向け日用品の販売に乗り出し始めています。
今後、インテリジェント化と結びついた製品・サービスが求められることは確実であり、高い技術力を有する日系企業にとっては大きな商機であるとも言えるでしょう。

(日本アイアール A・U)

計画の中国語原文はこちらをご参照ください。

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