中国法律ニュース 「銀行カードの国外における大口現金引出取引を規範化することに係る通知」について

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中国が国外での現金引出に新たな制限、1人年間10万元が上限に

中国は2018年1月1日より、中国国内で発行された銀行カードによる海外での現金引出についての規定を改正しました。
中国は2016年から銀聯カードによる海外でのATM使用についてカード1枚あたり年間10万元相当を上限とする制限を課していましたが、今後はカード単位ではなく、個人の現金引出額について年間の上限を10万元相当と変更しています。

 

中国が海外でのカード使用に対する監視を強化している点は以前にもお伝えしました。
(ご参考:「中国の金融機関が発行したカードの海外使用、国家外貨管理局への報告が必須に」)
しかし、今回は個人の海外での現金引出についてより直接的な制限をかけています。

 

今回の変更の根拠となっているのは、国家外貨管理局(以下、国家外管局という)が2017年12月29日付で公布した≪銀行カードの国外における大口現金引出取引を規範化することに係る通知≫(匯発[2017]29号)で、特に注意すべきは以下の点です。

  • 個人が国内の銀行カードによって国外で現金を引き出す場合、本人名義の銀行カード(付属カード※も含む)の合計は暦年ごとに10万元相当以下に制限。(※家族カードを指します。)
  • 10万元を超過した場合、当該年及び翌年は国内銀行カードによる海外での現金引出を暫時停止。
  • 1日あたりの現金引出額は人民元カード、外貨カードいずれであっても上限を1万元に統一。
  • 規制を逃れるための他人とのカードの貸し借りは厳禁。

 

国家外管局は、本通達はあくまでマネーロンダリングやテロ融資などの不法行為防止の観点から施行するものとしており、2018年1月2日付の匯訊網も、「国家外管局は、本通達は個人の国外消費に影響を与えるものではないとしている」と報じていますが、政策変化の動向は十分に把握しておくべきでしょう。

 

なお日本でも、中国に長期滞在された際に中国の銀行でキャッシュカードやクレジットカードを作り、日本に戻ってからATMなどで現金を引き出している方がおられると思います。そのような方にも今回の通達は関係してきますので、特に上限額カウント方法の変更などにご注意ください。

 

ちなみに本通達とは別の話ですが、偽造カードによるATMでの不正引き出しなどの事件を受け、日本の各銀行はATMでの1回あたりの人民元引出上限額を徐々に引き下げています。中国の規制と併せて、日本の状況もこまめにチェックすることが必要なようです。

 

(日本アイアール A・U)

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