出典:新華網(2014年02月10日)
急性白血病患者の遺伝子突然異変でできたがん抑制遺伝子が発見され、かつその機能異常と様々ながん遺伝子との相乗効果が解明された。これによって、白血病の新治療法研究に重要な基礎が提供された。
この白血病のがん抑制遺伝子に関する新しい成果は10日、国際的に有名な学術誌「ネイチャー・ジェネティクス」に掲載された。同研究は中国国家自然科学基金委員会、中国科学技術部(省)、中国科学院、天津市科学技術委員会の重点的な資金援助を受け、中国医学科学院血液学研究所教授の程涛氏と竺暁凡氏、中国科学院北京ゲノム研究所研究員の王前飛氏らが率いる複数のチームの協力により進められた。彼らは混合血統白血病(MLL)の患者、およびその正常な一卵性双生児の血液細胞の全ゲノム解析を実施し、稀に見る機能性MLL-NRIP3がん遺伝子、H3K36(リジン)のメチル化されたヒストンのメチルグループがSETD2に転移する遺伝子変異を発見した。
程氏は、「MLLの発病率は幼児の白血病の70%、急性骨髄性白血病の10%以上を占め、MLL遺伝子再構成を有する患者の予後には大きな差がある。通常の場合、これはMLL融合遺伝子を除く変異遺伝子との間に、高い関連性を持つとされる」と語った。同研究はSETD2が白血病の新たながん抑制遺伝子であり、SETD2-H3K36me3の機能損傷が、白血病の発展を促す新たな遺伝メカニズムであることを証明した。
程氏は、「がん研究の現在の主な課題となっているのは、各種のがん遺伝子もしくはメカニズムが、いかに共同作用し細胞の悪質な変異を引き起こすかという問題だ」と指摘した。研究チームの発見は、白血病およびその他のがんの発病メカニズムの認識を深め、臨床薬の開発を期待できる。
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