中国が、ネット通販商品の返品に関する新規定を公布しました。
新規定は国家工商行政管理総局が2017年1月6日付で公布した≪インターネット購入商品の7日間無条件返品についての暫定弁法≫(以下、「暫定弁法」という)で、従来≪消費者権益保護法≫により規定されていた7日間無条件返品についての条件をより明確化したものとなっています。
暫定弁法は2017年3月15日より施行されます。
主な内容は以下の通りです。
ネット販売業者及びプラットフォーム提供業者の義務
- ネット販売業者は7日間無条件返品の義務を履行しなければならない。ネット取引プラットフォームの提供者は、ネット販売業者が7日間無条件返品の義務を履行するよう監督管理を行い、技術的保証を提供しなければならない。
- 7日間は消費者がサインし商品を受け取った翌日から起算する。
適用条件
以下の商品には7日間無条件返品を適用しない。
- オーダーメード商品
- 生鮮品
- オンラインでダウンロード若しくは消費者が開封した音響映像製品・コンピュータソフトウェア等のデジタル化商品
- 新聞・雑誌
(消費者が購入時に確認した場合でも適用しないことが認められる商品) - 開封後に人身の安全若しくは生命健康に影響する商品、若しくは開封後に商品の品質が容易に変質する商品。
- ひとたびアクティベート若しくは試用した場合に価値が大幅に損なわれる商品
- 販売時に品質保持期間が近いことを明示してある商品、瑕疵がある商品
- 不完全なもの
◆”完全でない商品”の判定基準
食品(健康食品を含む)、化粧品など:必要な使い捨て密封パッケージが損壊されているもの。
電子電器類:授権を受けずにメンテナンス、変更、破壊しているもの、各種マークやシリアル番号などの塗りつぶしがあるもの、原状回復不可能な外観の使用痕跡やデータ類の試用痕跡などがあること。
食品(健康食品を含む)、化粧品など:必要な使い捨て密封パッケージが損壊されているもの。
電子電器類:授権を受けずにメンテナンス、変更、破壊しているもの、各種マークやシリアル番号などの塗りつぶしがあるもの、原状回復不可能な外観の使用痕跡やデータ類の試用痕跡などがあること。
返品時の規定
- 消費者が返品する際には商品本体のみでなく、部品やプレゼントも一緒に返送しなければならない。プレゼントには実物、ポイント、商品券、割引券などを含む。
- 消費者が購入時にクレジットカード決済を行った場合、返品時にネット販売業者は手数料を返金しなくて良い。
- 返品時の運送料は消費者が負担する。(別途取り決めがある場合を除く)
処罰規定
ネット販売業者が以下の情況にあてはまる場合、≪消費者権益保護法≫に基づき罰金その他の処罰の対象となる。
- 消費者に購入時の確認を受けずに、無断で商品に7日間無条件返品を適用しないものとして返品を拒絶する場合、若しくは消費者が開封し商品の完全性を損なったことを理由に返品を拒絶する場合。
- 消費者から返品要求を受けた日から15日を超えても返品手続を行っていない場合、若しくは消費者の正しい返品先住所、連絡担当者等の情報を提供しておらず、消費者が返品手続を行えない場合。
- 返品商品を受け取ってから15日を超えても消費者に商品代金を返金していない場合。
注意点
暫定弁法では適用対象が中国本土の企業に限られるのか否かなどについては言及されていません。
2013年に改正された≪消費者権益保護法≫で7日間無条件返品の規定が明示された後も、海外サイトはそれぞれ異なる対応を採ってきました。
今回の暫定弁法公布がクロスボーダー(越境)ECに影響を及ぼすのかなど、今後も動向を注視する必要があると言えるでしょう。
- 法務分野の中国語翻訳に関するページはこちらをご参照ください