サービス貿易発展近年、サービス貿易の伸びが著しい中国。2015年のサービス貿易額は7,529億ドルで、世界ランキングは2位に上昇。十三五(2016年~2020年)期間は更なる発展が見込まれています。
これを踏まえ、2017年3月2日、商務部をはじめとする13部門が共同で≪サービス貿易発展の「十三五」計画≫(商服貿発[2017]76号)を公布しました。
全世界を上回るペースでのサービス貿易のスピーディな成長を図り、技術・知識集約型の高付加価値なサービス輸出の比率を引き上げ、労働集約型及び中国独自のサービス輸出のアドバンテージをより強固なものにしたい考えです。

地域戦略としては、北京市・上海市・広東省にサービス貿易のコアエリアを設け、周辺地域を含めたけん引を図ります。さらに東北地区、福建省、広西チワン族自治区など近隣国・地域との窓口となる地域を通じて、国際協力も積極的に進めたい考えです。内陸部でも、科学技術の研究開発拠点を数多く擁する西北地区でビッグデータのサービスブランド構築を目指すなど、各地域の特色を生かしたサービス貿易の発展を目指しています。

また、重要課題として、伝統的サービス(旅行、輸送、建築など)の輸出を安定的に引き上げるとともに、技術・知識集約型の新興サービス分野(通信、金融、保険、コンピュータ・情報、コンサルティング、研究開発設計、知的財産権、省エネルギー、認証など)を積極的に育成することが挙げられています。国際競争力を有するサービス貿易企業の育成も課題の1つです。
さらにサービス貿易分野でもイノベーションを重視し、クロスボーダー決済の積極的な導入や、業種の枠を超えたコラボレーションなどによる新たなサービス分野・業態の発展を図る考えです。
またサービス市場を国際的レベルまで引き上げるため、対外開放も積極的に推進する方針です。今後、金融・電信・教育・文化といったサービス業分野の開放をさらに進め、養育・介護・建築設計・会計監査・ビジネス物流などのサービス業分野への外資参入制限を徐々に緩和の予定。グローバルなサービス企業の誘致も積極的に進めたい考えです。

本計画で挙げられているサービス貿易発展の重点分野は以下の通りです。中国がこの先海外企業との提携や外資系企業・外国人材の誘致などを強化したい分野とも考えられるため、今後の中国事業戦略を検討する上でのご参考となれば幸いです。

1.物流・運輸サービス
①海運・港湾 ②航空輸送 ③鉄道輸送 ④EMS ⑤国際貨物輸送代理
2.旅行サービス
3.建築・工事サービス
4.省エネルギー・環境保護サービス
5.エネルギーサービス
6.金融サービス
①銀行 ②証券 ③保険
7.情報通信サービス
8.技術貿易
9.知的財産権サービス
10.ビジネスサービス
①会計サービス ②法律サービス ③展示サービス ④人材サービス
11.個人・文化娯楽サービス
①文化サービス ②スポーツサービス ③教育サービス ④医療サービス
12.国際サービスアウトソーシング

計画の中国語原文はこちらをご参照ください。


中国法律ニュースはこちら(バックナンバーなど)