中国政府が10年近く立法に向けて注力してきた「中医薬法」が、2017年7月1日より施行されます。
「中医薬」とは、漢民族のみでなく少数民族も含む国内各民族の医薬の総称で、中国の伝統医学において長い歴史を有し,独自の理論と技術を育んできた医薬学体系全体を指しています。中国政府は本法の施行により、中医薬の規範化と発展を図り、技術発展や研究開発もより一層奨励する考えです。
中医薬法では、総合病院における中医薬科の設置義務付けや、中国医学に従事する者の資格制度制定などにより、公共サービスにおける中国医学の位置づけを明確化しているほか、中医薬の原料となる野生の動植物の保護や栽培方法の規範化、加工・使用段階のルール制定、中医薬の認可手続簡素化などの内容も盛り込まれています。また専門人材の育成や、中医薬の研究開発奨励など、将来的な発展に向けた各種措置も明確化しています。
2017年6月26日付の前瞻網によると、2016年の中国の医薬製品の販売総額は1兆8393億元でしたが、うち中国薬材はわずか3%を占めるのみでした。今回の法令整備が、中医薬産業にプラスの効果を与えていく可能性は十分に考えられます。
(日本アイアール A・U)
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