中国では2015年以降、インターネットと他領域を積極的に融合させる「インターネットプラス(互聯網+)」政策が推進されており、ショッピング、交通、レジャー、教育など人々の生活に密着した様々な分野において多くのインターネットサービスが打ち出されています。医療も勿論例外ではなく、2018年4月25日付で国務院弁公庁が≪「インターネット+医療健康」の発展促進についての意見≫(以下、≪意見≫)を公布し、医療・ヘルスケア分野におけるインターネットの活用方針を示しました。
≪意見≫はまずインターネットの医療サービスにおける活用に触れており、診療前から診療後までをカバーするワンストップの医療サービスモデルの構築や、オンラインでの診療、医療・健康に関するコンサルティングの導入を推奨しています。また、電子カルテの活用などにより高齢者の慢性疾患や児童の予防接種の管理を強化し、伝染病などのモニタリングを行うといった地域の公共衛生サービスの充実も図りたい考えで、上海などの大都市で徐々に浸透しているホームドクターについても、インターネットの活用によりサービスの質を高めるべく方針を示しています。さらに薬品の供給や医療保障の決済、医学教育にもインターネットを活かし、診療や診断への人工知能の応用も進めていく構想が示されており、こうした施策を実現するため、関連するインターネットプラットフォームや医療施設の整備を進め、監督管理も強化していく考えです。
中国では近年医療分野への外資参入条件が徐々に緩和されており、日系企業も病院経営や医療関連サービスへの参入に意欲を示しています。インターネットを活用した医療サービスのレベルアップが求められている現在、高い技術力と充実した医療サービスのノウハウを併せ持つ日系企業に勝機ありと見るのはあながち間違ってはいないでしょう。中国の施策を視野に入れた的確な進出戦略が期待されます。
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(日本アイアール A・U)
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