中国初の土壌汚染防止関連法である「土壌汚染防止法」が2019年1月1日より施行されます。
1980年代以降、水汚染防止法、環境保護法、大気汚染防止法など環境保護関連の法律が次々と公布される中、検討の難易度が高かったこともあり、土壌汚染防止に関しては立法に長い時間を要していました。公布を間近に控えた土壌汚染防止法は、モニタリング体制の構築、責任の所在の明確化、違法行為に関する厳罰などを盛り込んだ内容となっており、企業としては十分な対応が求められます。
土壌汚染防止法は全7章から成り、企業が注意すべき点はまず第3章「予防と保護」に記されています。
地方人民政府は、有毒有害物質の排出状況などを基に「土壌汚染重点監督管理機関リスト」を発表することになっており、リストアップされた企業は有害物質の排出制御や各種報告義務、自主モニタリング制度の構築などの責任を負うことになります。
また、第4章「リスクコントロールと修復」においては、「土壌汚染責任者」がリスクコントロールと修復の義務を負うことが定められており、そのための費用負担も求められています。
第6章「法律責任」では、違法行為に対する罰則が詳細に定められており、土壌汚染防止に関し適切な措置を採っておらず深刻な影響を及ぼした場合には最高200万元の罰金が科せられます。また、生産停止などを命じられる場合もありますので、注意が必要です。
本法では、土壌汚染の防止に関し厳格な規定を設けると同時に、土壌汚染防止に関する新技術採用の奨励や、汚染防止対策に対する税制優遇などの措置も定められています。
法令を遵守した企業活動を行うことが求められているとともに、中国の新たな動きに合わせた新たなビジネスチャンスが生まれていることも注目すべき点であると言えます。
はこちらをご参照ください。
(日本アイアール A・U)
- 法律文書の中国語翻訳サービスのページはこちら