担保融資業務
中国が知的財産権を担保とする融資業務の強化を進める方針を示しています。
2019年8月6日付で中国銀保監会・国家知識産権局・国家版権局は共同で≪知的財産権担保融資業務のさらなる強化に関する通知≫(以下、「通知」)を公布し、主に中小企業やイノベーション企業の資金調達を後押しする考えを明確化しました。

通知を公布した3部門は、知的財産担保融資が知的財産権の応用的活用を促進し、資産や担保に恵まれているとは言い難いイノベーション企業を救済する手段になるとして注目してきており、銀行・保険会社に対し関連業務の導入を度々促してきました。その結果、2018年には専利(特許・実用新案・意匠を含むパテントの総称)権、商標権を担保とする新規融資額は登記ベースで1,224億元、前年比12.3%の伸びとなっています。

通知は銀行・保険会社に対し、知的財産権担保融資に係る①サービス体系の合理化、②サービスの刷新、③リスク管理の健全化、④業務の改善を大枠として要求しており、②に関しては、専利権・商標権・著作権のみならず地理的表示、回路配置利用権などの無形資産も担保の対象として検討するよう求めるなどの動きも見せています。

通知は銀行・保険会社内部の業務に関わる内容が大半を占めますので詳述は避けますが、金融機関を統括する官庁と知識産権局・版権局が共同でこのような通達を公布するのはめったにないことですので(2013年に類似の通達が公布されて以来になります)、中国政府の本業務に注力する姿勢が強く感じられます。

※通知の中国語原文はこちら
http://www.cbirc.gov.cn/cn/view/pages/ItemDetail.html?docId=233198&itemId=925&generaltype=0

(日本アイアール A・U)


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